今回は小児科の患者さんに対してのジェネリック医薬品のお話です。
ジェネリック医薬品については以前の記事で説明しているので良ければそちらも読んでみてください。
小児科の患者さんは負担金がないことが多いです。
医療保険と各市町村の公費を使えるので、ただでお薬がもらえることが多いのです。
負担金がないことから、小児科の患者さんの薬をジェネリック医薬品にしたがらない親御さんが多いのです。
この背景には、ジェネリック医薬品は品質が良くないという想いが強いためだと思いますので、薬剤師の説明不足だなと反省しています。
しかし、小児科においては金額以外にもジェネリック医薬品にするメリットが存在しています。
それでは説明していきます。
ジェネリック医薬品の一般的なメリット
まず最初に、ジェネリック医薬品についての一般的なメリットについて説明します。
ジェネリック医薬品は値段が安いことが知られていますよね。
つまり、患者さんの負担金も、国の負担する金額も少なく済むのです。
毎年医療費が高くなってきていて、このままだと日本の保険制度が崩壊するとも言われています。
そこで、医療費削減の一つの政策としてジェネリック医薬品の推進が上げられています。
小児科におけるジェネリック医薬品のメリット
先ほども説明しましたが、小児科では負担金がないことが多いためジェネリックを希望されないことが多いです。
しかし、小児科だからこそのジェネリックの特徴があります。
それは飲みやすさの違いです。
ジェネリック医薬品は先発医薬品と全く同じと思っている方が多いのですが、すべてが同じわけではありません。
同じである事柄は
- 有効成分
- 投与の仕方
- 飲み方
- 飲む量
- 期待できる効果
これらことは、当たり前なのですが同じでないといけません。
しかし、異なる事柄もあります。
その一つは味です。
小児科において、薬が飲めるということはとても大変なことです。
基本的な飲ませ方については以前に説明してますので、良ければそちらもご覧ください。
どのように味が違うかというと、先発医薬品よりジェネリック医薬品の方が飲みやすく改良されていることが多いのです。
先発医薬品が出てから後発医薬品が出るまで10年以上かかるのですが、製薬技術は常に進歩しています。
ですので、苦みを軽減する製法や、苦みを感じにくくする製法などがどんどん出ています。
薬局では、新しく出たジェネリック医薬品と先発品の味比べは頻繁に行われているのですが、基本的にジェネリック医薬品のほうがおいしいことが多いです。
親御さんが負担金が変わらないからと先発医薬品を使うことで、苦みなどから上手く薬が飲めないということもあります。
薬をもらう際には薬剤師に相談してみて、飲みやすい薬があるか確認してみてください。
飲み薬以外でもおすすめできるジェネリック医薬品
先ほど、味の違いにより、ジェネリック医薬品の方が美味しいことがあるということは説明したのですが、それ以外にもおすすめできる点があります。
それは、塗り薬の塗り心地の違いです。
小児科で良く使われるのが保湿剤です。
子供の皮膚はバリアが弱くとても敏感です。
また、アレルギー体質の子も多いので保湿剤は良く使われるのです。
しかし、子供はベタベタするのを嫌がりませんか?
子供のために頑張って塗ってくれている親御さんから良く相談されます。
そこで私は、ジェネリック医薬品への変更をおすすめしています。
たとえば、先発医薬品が乳液みたいな質感のもので、ジェネリックにすると化粧水のような質感になるものもあります。
べとつきが苦手なお子さんに、こちらをおすすめすると、圧倒的にジェネリックの方が好まれます。
ですので、塗り薬についても薬剤師に塗り心地を聞いて、お子さんと相談して決めていくのが良いです。
塗り心地については、味よりも個人の好みが違ってきます。
一概にジェネリックが良いとは限らないので注意してください。
まとめ
今回は、小児科におけるジェネリック医薬品について説明しました。
商品名を出そうか迷ったのですが、各店舗の在庫状況もあるため今回は載せませんでした。
ですので、使っている薬局の薬剤師と良く相談して決めてください。
味と塗り心地、お子さんがしっかりと薬を使えていけたらと願っております。
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